たけのこ (筍) 料理の店 京都 うお嘉

〒610-1121 京都市西京区大原野上里北ノ町1262
営業時間 : 11時30分~22時00分(入店は20時まで)
定休日 : 月~木曜日の間で不定休

たけのこ日記


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たけのこ(筍)にまつわる事柄やうお嘉での日々の出来事を徒然なるままに書き留めていきます。

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たけのこ畑

たけのこ

は春になると自然にでてくるものだと思いがち。

たしかにそうなのだが、

良いたけのこは農家の方の手がかかってます。

先日、農家の方に特別に許可をいただき、土入れ風景を撮影させて頂いた。

ご覧下さい。まさに「たけのこ畑」の作業です。

ユンボで土をおこすシャベルから土を一輪車へ

敷き詰めた藁の上に土を盛る

もった土をならしていく

息子さんも大活躍こころなしか竹もうれしいそうに笹をゆらしている。土入れ完了まさにたけのこ畑

 

たけのこを愛した元祖なでしこジャパン!!

たけのこをこよなく愛す方々は女性の方が多いような気がする。

春に採れる瑞々しいたけのこは女性の健康と美容に良いように作用するからかもしれない。

それに、味わいも淡白であり、深い滋味である。

孟宗竹の名の由来で以前、紹介した孟宗の母も病床に臥し、「たけのこを食べたい。」と

息子、孟宗に願ったほどだ。

先日、陶芸家の展示会で知り合いになった方に孟宗の母のエピソードをお話すると、

死に間際に「たけのこを食べたい。」といわれた伯爵夫人のことを教えていただいた。

ヨーロッパのオーストリーの黒い瞳の伯爵夫人こと、クーデンホフ光子夫人である。

夫人は旧姓、青山光子、東京・牛込の町娘として生まれ。明治25年にオーストリアの伯爵ハイリッヒ・クーデンホフに見初められ結婚、

激動の欧州に渡り、7人の子どもに恵まれた。しかし、その後、すぐに夫を失い。帰国ぜず、気丈にも子どもを育て、

黒い瞳の伯爵夫人と称されたそうだ。また、その育てた子の一人が次男のリヒャルトはEU連合の生みの親として知られる逸材である。

ミツコと七人の子供たち (河出文庫)

しかし、夫人の人生は決して楽なものでなく、ふるさとの家族からは絶縁され、異国の欧州では白人の貴族社会で

異端扱いをうけ、夫の死後は迫害にあいながらもそれと戦い、厳しいものだったと光子さんその手記は物語っている。

その気丈さと日本人とっての誇りをもつ光子さんこそ元祖なでしこJapanと呼ぶにふさわしいように思えます。

ご夫人が晩年に望郷のおもいで、口にされていた言葉。

「たけのこが食べたい・・・。日本に帰ることができれば・・・。」

もし、オーストリアに行く機会があれば、黒い瞳の伯爵夫人のお墓にたけのこの佃煮を供えたいものだ。

合掌

莞鳴

 

 

四代目が土入れ作業

竹林での土入れ作業をカメラにおさめたいとおもい、

いつになるか待っていた。

晴れの日が2,3日続く頃がいいんやといわれた。

うお嘉の四代目は天候をみてその日を決めた。

粘土質の土の竹やぶに雨の降った後は作業が困難になる。

それで、晴れの日の続く日を待っていたのだ。

今年の11月は例年より暖かい。

11月15日から18日の間に四代目は土入れ作業を行った。

稲作される農家はわらを敷き詰めてから、土をそのわらの上にかけるのだが、

四代目は枯葉を敷き詰めていた。うお嘉周辺の落ち葉をかき集め、

それをすでに敷き詰めていた。その上に粘土質の土をかぶせていた。

ユンボでかき上げられた土を一輪車で運び、土を全体にまんべんなくかける。

それを何度もひたすら続ける作業だ。

四代目は無言で作業していたが、竹に語りかけるように

やさしく、丁寧に土を運び、ならすように土をかぶせていた。

まだ見ぬ地下のたけのこにそっとささやくような姿があってこそ、

愛情のこもったたけのこが育つのだとおもった。

以前、白洲次郎の物語をNHKでみたが、

カントリージェントルマンという表題があったことを記憶している。

意味合いはことなるかもしれないが、

ここ西山の竹林畑には四代目のようなカントリージェントルマン達が、

この地域で竹林を守っているように思え、心に感じるものがあった。

秋の晴天の光を浴びて、

うお嘉の庭に干し柿がうれしそうに垂れ下がっていた。

たけのこは愛の結晶や。

多くの方が たけのこ って自然に生えてくると思ってらっしゃるようだ。

もちろん、たけのこも自然のものゆえ、自然に生えるのですが、

出荷される京都ブランドの竹の子は農家の方の愛情が注ぎ込まれている。

11月から12月にかけて西山周辺の竹林に行くと竹林の足元にワラが敷き詰められている風景が目に入る。

まるでじゅたんを敷き詰めたように綺麗にワラが敷き詰められている。

これは冬場に備えて、地下のたけのこを暖めるためと

ワラ自体が肥料になるようにとの意味で敷かれるのだそうだ。

越冬を迎える寒がりの竹にそっとウールのコートをかけるようにワラを敷く農家はまさにカントリージェントルマンですね。

このあと土入れの作業へと続くのですが、大変な作業となります。

これは京都方式とよばれ、京都独特の作業だといわれます。

竹林農家の方の様々な愛情作業により おいしい京都のたけのこが生まれるのです。

うまいたけのこは竹と人との愛の結晶なんやね。

カントリージェントルマンに感謝!!

莞鳴

日本に唯一の虎斑竹

土佐の高知には坂本龍馬先生だけでなく、

貴重な竹がある。

高知の須崎市安和のわずかな谷あいの竹やぶにしかできないもので、

竹の表面が虎の皮状になっているので虎斑竹(とらふだけ)と呼ばれる。

その特殊な文様は江戸や上方の数寄者に貴重がられ、

江戸時代に土佐藩の山内家が秘密にしておいた場所で、明治まで生息場所を知るものは

高知でもごくわずかだったといわれる。

その竹を他の場所に移植しても、同じような虎の文様柄ができず、その場所にしか取れない。

現代科学でもその竹の文様が何故でそのエリアだけにできるか解明されていない、

神秘的な場所であり、竹なのだそうだ。

あまりの貴重さに世界からも注目され、イギリスのBBC放送が取材に来て、

ミラクルバンブーと賞されたそうだ。

今回は うお嘉の常務と若女将が現地に乗り込み、虎斑竹を扱う、「竹虎」の四代目社長に山岸義浩氏にお願いして、

その貴重な虎斑竹の育つ山に入らしていただき、竹製品になるまでの工場を見学させて頂いたおりの貴重な写真を掲載した。

竹の持つ 不思議な魅力には今の現代科学でも解明できない事実を知り、

ますます竹について知りたくなった。

そして、日本人が忘れていた竹との関係をもう一度知りたくなった。

竹虎 四代目山岸社長(真ん中)と記念撮影・高知・須崎

取材協力頂いた竹虎さんのHP(楽しくて、とても勉強になります。おすすめします)

http://www.taketora.co.jp/taketora/ta0002.html?grid=top_gNavi

莞鳴

恵比寿さんと竹ささ

大阪の方はよくご存知でなんですが、

今宮戎(いまみやえびす)では

笹にいろいろな吉兆の飾りをつけられます。

「商売繁盛 笹もってこいこい。」うたわれます。

この笹は孟宗竹の枝の笹なんです。

島根県にある美保神社も恵比寿さまを祭ってあることで

有名です。

ここに不思議な話があります。

美保神社の境内に竹が数本生えてるのですが、

これは植えたものでなく、もみ殻を蒔いた人がここに竹が生えればよいのにと

お祈りしたそうです。そうしてしばらくすると竹が生えてきて、

写真のように本殿横に竹林が植わっているとききました。

美保神社本殿 横の竹林

 

美保神社では三穂のもみ殻は願いを叶えてくれるお守りとなっております。

私もひとつ頂きました。

そいえば先日、東京の恵比寿で10数年ぶりの知人と再会しました。

とても良いお話と良き酒と肴を頂きました。早速、 恵比寿さまのご利益を頂きました。

合掌

莞鳴

祇園より竹林が先?

お彼岸もあとわずか?

家の墓参りにお寺によってみた。

お寺ではイベント(?)が開かれていた。

最近はお念仏やお説教だけでなく、音楽などのなりものもあるのだ。

ちょっとしたライブコンサートだ。

いまどきの風物である。

もっともお念仏も歌のごとく耳に入ることがある。

さて、本題はそこできいたお説教にお釈迦様の話があり、

お釈迦様が修業の場として、当時の王様や富豪から寄付された土地がいくつかあるとのこと。

その中でも祇園精舎が有名である。祇園といえは、京都や舞妓さんのイメージが強いが、

もともとインドにある場所なのだそうだ。

でも、1番はじめにお釈迦様に寄付された土地は竹林のある土地で、

竹林精舎と呼ばれ、ブッダ様と大勢のお弟子さんたちはそこに仮住まいしたそうだ。

祇園より竹林精舎が先にあったのだときき、もしかするとブッダ様やお弟子さんたちは竹の子を食べたりしたのではないでしょうか?

想像が膨らんだ。

機会があれば、竹林精舎に訪れたいと思う彼岸でした。

莞鳴

インドの朝日だそうです。

夏こそ頑張る竹

夏休みはどうでした。

受験や就職活動を控えた方、

夏の頑張りが翌年を大きく左右するなんていいます。

たけのこも人間と同じで、この暑い夏の間に

その地下茎の芽子を伸ばし、太くさせます。

来年の春に良質なたけのこを産むために母竹はその芽子をぐんぐんのばし、

太くするのです。

春になれば、自然とでるのでなく、1年もかけ、準備に準備を重ね、

あのおいしいたけのこを産むのです。

暑い夏、目にみえない地下で竹は頑張っているのですね。

 残暑見舞いとして、うるおいの雨を贈ってあげたい気分です。

莞鳴

お盆の行事にも竹

お盆の時期。

京都の五山の送り火は皆さんよくご存知だと思います。

ご先祖さまがお帰りになるためお見送りに火をともすのです。

さて、この時期よく耳にするが、御招霊(おしょうらい)という行事。意味をいえといわれれば、

困惑する方もおられます。

こちらは ご先祖さまがお越しになるときに暗いのでお迎えの為に火をたくこと。

地方によって違いますが、若い青年が火をともした松明をもって村の入り口にお迎えにいく習慣があるそうです。

この松明の枝の部分に孟宗竹が使われるそうです。

背丈の1.3から1.5倍の長さの竹に稲わらや麦わら、杉などを付け火をともし、

それを振り回しながら火を消さずに練り歩く地元の青年たち。

青年の精悍さがみなぎってきそうです。

いまでたとえると、甲子園球児のようなものでしょうか?

御招霊。この時期には若者の活躍する行事があったのです。

若者の迎え火に気を良くしてご先祖さまが帰ってこられていることでしょう。

合掌

莞鳴

夏にも強い竹!!

夏は暑い上に台風がくる。

被害にあわれた方には心よりお見舞い申し上げます。

街頭の樹木も折れたりして大変である。

竹はこの暑さと風に不思議と順応している。

強風でもしなやかに風になびく。

おどろきである。

暑さと大量の雨水をもたらす台風は竹林には好都合なのか?

うらやましい限りだ。

そいえば竹は北海道には自生しないという。

梅雨や台風の持ち運ぶ場所で夏の暑い場所に多い。

やはり暑さや台風に強いのだろう。

そういえば節電が叫ばれるこの夏。

竹の団扇や扇子が大流行。

私は休みの日は竹皮の草履で過ごしてます。

素足にあたる竹の皮の感触がひんやりして気持ちいいです。

もちろん手には竹の団扇です。

さあ、今年の夏も竹林のように暑さに負けず、台風に負けず頑張っまいります。

莞鳴

今旬のお料理:たけのこ(筍)料理
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