いつの頃だろうか「母の日」という日ができたのは?
花屋ではカーネーションがたくさん並べられる。
商業的な感じがするが、「母の日」を無視することもできず、
何かプレゼントになるものが無いかと頭をめぐらす。
あ、そうだ竹の子。

そういえば、ご存知の竹の子の種類は孟宗竹(もうそうちく)なのですが、
名前の由来を知る人は意外に少ないので驚く。
戦前に教育を受けた方や落語や三国志を好きな方はよくご存知だ。
「二十四孝」という、忠孝のエピソードを集めた道徳の本に孟宗竹の竹の子が登場する。
といっても竹の子が主人公でなく、孟宗という母親おもいの青年が主人公である。
母ひとり、子一人の貧しいが、親子仲むつまじく暮らす孟宗は
幼い頃から母を楽させようと、勉学に励み、出世することを目指す苦学生。
親孝行な孟宗に対して、母は負担にならないようにと気をつかい、
無理な仕事をして病の床につく。
看病する孟宗が母親に何か欲しいものはないかときく。
余命長くないと悟る母親は 死ぬ前に 竹の子 を食べたいという。
しかし、時期は春でなく、雪積もる真冬。
近所の人々が止めるのもきかず、竹の子を探しにいく孟宗。
母のために雪山をこえ、雪深い竹林へとわけいる。
果たして竹の子は?!!あるわけがない。
がっくりとうなだれる孟宗。
母のことを思い、孟宗はその場で泣きだすのです。
するとその涙の落ちた雪の表面が溶け出し、地面がみえ、土がもりあがってくる!!
不思議に思い、掘ってみると竹の子が鈴なりに出てくる。
孟宗は喜んでその竹の子を持ち帰り、母親に食べさせた。
すると母親の病は治り、元気になった。
母が竹の子を食べ元気なったことは近所はもとより、呉の国でも評判になった。
親孝行な孟宗にちなみその竹の子を出す竹林は孟宗竹と呼ばれるようになった。
母親おもいの孟宗は呉で出世した実在の人物である。
まだ、GWでも大原野には孟宗竹の竹の子がでている。
孟宗にあやかるわけでないが、
母の日に竹の子を贈ることにした。
莞鳴