竹の子と水環境の話。前編
2023年 04月 09日
竹の子は水の子と呼ばれる。
そう、良い竹の子が育つには適度の水が大事な要素である。
ここで適度という表現を使ったのは実はとても深い意味がある。
竹はもともとは亜熱帯気候の植物である。故に寒すぎる寒冷地域には育成しない。
日本でも竹の子採れる代表種の孟宗竹は高地や北海道・東北の寒冷地域には自生していない。
笹科の種類や根曲がり竹などの高山エリアに存在するのみである。
さらに雨量の少ない乾燥地帯にも竹は自生しにくい。
古今東西、砂漠に竹の子が出るという話は耳したり、目にしたことがない。
太陽の恵みと適度な温かさと適度な降水量が竹の子には必要でなのである。
さて、適度な温かさと降水量は国内では。まさに春から初夏にかけての気候が最適である。
事実、この時期に竹の子は土より出でて、若竹と成長するわけである。
春竹の子が出でるのはごくごく自然のことで、その摂理を竹の子がよく理解しているからなのでしょう。
さて、話しは良い竹の子が育つ下りに戻す。
竹の子は土の中で育つ、故に人間様の住む地上、つまり外気より土の中の環境がさら大事なことになる。
特に栄養分や湿度や水はけなど良質な竹の子を育むための母体となる土壌のタイプにより竹の子の美味しさに大きく左右するものだ。
竹の子は水分が多いと水っぽくなりぐにゃぐにゃになり、逆に水不足だと成長が悪く、繊維が固くなる。
程よい保湿性のあるミネラル豊富な土壌こそ、良質な竹の子を輩出する最適な場所なのである。
竹の子は白ければ良いなどと蒙昧なことを口走る輩や京都産だから良いなどと成金のブランド展示族には想像も及ばない次元の話だが、
砂地の多い土壌の竹林は水はけが良いが、土壌が瘦せてしまい、栄養分が乏しくなる。また、雨の少ない気候の年は土が乾いてしまい、育成する竹の子が固くなりやすく、
乾燥したバシバシとした繊維質の竹の子になる。
水の子竹の子には良くない環境となるわけである。
では、湿度が多い泥や粘りのある赤土なら良いかといえば、今度は水が多すぎてシケ藪などとよばれ、竹の子が育ちにくい環境となる上、
雨の多い気候になると頼りない軟化した旨味のすくない竹の子となる。
単に水が豊富であれば、良いわけでもない中庸の環境こそがよき竹の子の育成環境であるのだ。
では?どんな土壌条件が良いのか?そこまで考える前に良い竹の子が輩出される場所に行くと良い。
百聞一見にしかず。
また、気が向いたら、さらに掘り起こしてこの事をお話ししてみよう。
では、また。
莞鳴&CHATGPT