竹の子堀りを堀りさげてみる。その1
2014年 04月 11日
竹の子を掘る作業に今春は注目してみる。
一般の方は竹の子を採るといいますが、ここ京都では竹の子は「掘る」といいます。
一般には竹の子は春の山菜に含まれるようですが、ここ京都の大原野地域(旧乙訓地域)では栽培品であります。
山菜は地上からでた芽のようなもの、当然、アクの強いもの。
栽培品の竹の子は地上にでていない、肌の白い、アクのないものです。
しかも、土壌も豊かにして整えてあり、まさに竹の子畑とでも呼んでふさわしいもの。
必然的にその収穫の仕方もちがい、掘り方もその道具も違ってきます。
そこを掘り下げてみます。
昨年に京都式と呼ばれる竹の子の栽培を写真で紹介しましたが、この京都式はわら引き、土持(客土入れ)をします。
当然、自然の竹の子より土がかぶっている分、地上面まで伸びるまでに時間もかかります。
しかもその土は柔らかな上質の毛布のようなもので、やわらかく、白い、甘い竹の子を育みます。
国内や海外(主に中国)のものと京都(旧乙訓地域)の竹の子の品質の違いはここにありました。
1960年代ごろにこの違いを研究し、文献されたのが、京都大学の名誉教授、上田弘一郎先生(故人)です。
京都式の名付親でもある上田先生は大原野の竹林に寝泊まりして、その生態を研究されたこともあり、
どこぞの机上の博士とはちがい、現場肌の研究家であり、探検家でもありました。
この京都式を九州や四国の農業関係者が知ることになり、真似(導入)されたのですが、唯一、真似(導入)できないことがありました。
それが、竹の子掘りの技術と堀クワと呼ばれる道具です。
つづく